街の中のクラシック音楽

こんにちは。ヴァイオリン講師のHです。

先月お仕事で、北海道・小樽へ訪れました。
ご存知の通り、運河や旧ウォール街の町並み、硝子製品、オルゴール、海の幸、スイーツなどなど。多くの人が魅了される街ですよね。
散策していると、小さな広場にそびえる時計塔のカリヨン(鐘)が、0分を知らせる音楽を奏でました。人々は立ち止まり見上げ、真っ青な海辺の空と鐘の音色とを、静かに堪能しているようでした。
雨風にさらされる時計塔の鐘なので、音程は微妙…、時々鐘突きの不具合でつっかえることもあり、原曲がとても美しい曲だけになんともほほえましかったですが、こういう時私はいつも思うことがあります。
楽器を習う子供たちが将来、なにげなく街の中に流れるクラシック音楽に気づいて、ふと子供時代を思い出したり、ちょっとだけ癒されたり、一緒にいる友達や恋人と話題にしたりしてくれたら、それだけでご両親は楽器を習わせたことを良かったと喜ばれるのではないかな、と。もちろん、私も教えた甲斐があります。
楽器を習うことで、演奏する技術や音楽の知識以外に(以上に)将来その人の財産になるのは、絶対音感やリズム感、感性や集中力、数学的な脳の使い方、聴力や広く耳を傾けること、文化(特に西洋)への興味、音楽を共有する友人など…、派生していったらきりがないですね。
もし楽器を習うことが一時的であっても、それぞれがそれぞれに習得し、見えない引き出しに入れてあるので、その引き出しが開かれる瞬間があった時、自分は豊かだと、育った環境が豊かであったと、そんな風に感じて自信にして欲しいと思います。

ちなみに上記は、小樽を代表するスイーツ店・ルタオ本店の時計塔の鐘で、その時の曲は、モーツァルト作曲ピアノ・ソナタ11番の第1楽章でした。向かいの店舗からはオルゴールの音色で、ハチャトゥリアン作曲仮面舞踏会の「ワルツ」が流れていました。原曲はオーケストラ曲、フィギュアスケートの浅田真央さんがバンクーバー五輪の前年にプログラムに使用し、随分話題になりましたね。
これから楽器を始める方、楽器を習っている方には改めて、日常や街の中のなにげないクラシック音楽に気づいた時にふと訪れる豊かなキモチ、おすすめします。

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