「楽器を演奏するということ」

皆さんこんにちは。
昨年の10月からミューゼ音楽教室でピアノ講師をさせていただいております、S.Mと申します。

発表会の曲をもらい、皆さんそれぞれ曲と向き合い始め、少しずつ譜読みが進んできている時期かと思います。

私も日頃音楽に携わり、様々な曲を演奏する機会があるのですが、楽器を演奏することや、音楽と向き合う上で大切にしていることをお話させていただきたいと思います。

皆さんは楽器を演奏するとき、どんなことに気をつけていますか?
楽器を演奏する時は、耳、頭、身体、この3つがうまく働いていることがとても大切です。
また、その曲が持っている明るさや元気さ、優しさや悲しさなど、いろんな印象を表現するために、普段からさまざまな出来事に対して、自分の心が動く瞬間、感じる気持ちを大切にするということも、とっても重要なことだと思います。

そして、ピアノや楽器を生で演奏するということは、“瞬間芸術”という言葉で表現されることもあります。これは私が大学に通っている時に、ある先生が授業でお話してくださり、私は「とても興味深い!」と感じた言葉でした。

“瞬間芸術”と呼ばれているものには、音楽や舞踊、演劇などがあります。
限定された時と場所で、瞬時の演技や演奏によって表され、その表現されたものは直ちに消えてしまうものなので、瞬間の芸術として存在しています。

今の時代は、録音の技術が発達していますが、皆さんが発表会の大きなホールで、アコースティックな楽器を“その瞬間”に演奏するということは、紛れもなく瞬間芸術であり、その瞬間に自分が放った音の響きから音楽を空間に存在させるということは、日常ではあまり体験することのできないことだと思います。

同じ楽器を使っていても、生徒さんひとりひとりが違う音を出すので、私はレッスンのとき改めてピアノって面白い楽器だなぁ、と感じる場面が沢山あります。
電子ピアノやデジタルの楽器でそれを感じることは難しいのですが、お教室の楽器はアコースティックな楽器ですので、同じピアノでも生徒さん一人一人が違う音色を持っているということを、わかりやすく耳で感じます。

誰が弾いてもそれなりの音が出てしまう電子楽器や、録音というものが発達し、加工や保存ができたりする時代に、
毎回違うけれど、一人一人がもっている自分にしか出せない音で、その瞬間を感じて音楽を表現していく作業は、想像を超える楽しさや喜びを感じることができると、ピアノを続けてきて心から思います。

ご自身の持っている“音”に耳を傾けて、今目の前にある曲をどこまで表現できるのか、是非、発表会のような沢山の人に聴いてもらえる素敵な機会に、挑戦していただきたいと思います。

発表会まで残り3ヶ月程。。
皆さんの成長を楽しみに、いつも心から応援しています!

S.M

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