「偶発的な音」

今年3月28日71歳で惜しくも亡くなられた音楽家の坂本龍一さんは
生前、森林保全団体「more trees」の創設を行っておりました。
テクノとコンピューターを駆使したデジタル音楽をアメリカで評価を受け
日本へ逆輸入され「世界の坂本」と呼ばれていた方が何故にアナログな
「森林保全」を行なっていたのか、不思議でした。

亡くなって追悼番組が多く放映されていました。
その中で、82年に放送された坂本龍一の作曲法と題した番組で10代の観客に
家にある楽器以外の音の出る物を何でもいいので持って来させ新聞や風鈴
自転車のベル等で即興で鳴らし音楽を作らせていていました。

その後他の番組では晩年の坂本龍一のドキュメンタリーでNYの公園や
森の中で木の葉の擦れる音、鳥の声、河の音をサンプリングし音楽が聴こえる
と話していました。
前述の番組の1年前「階段」という曲では工場のプレス機械音をサンプリング
した曲を演奏してました。

ラヴェルのボレロ、ベートヴェンの交響曲第6番「田園」、現代作曲家の
ジョン・ケージの「4分33秒」は自然や偶発的に聴こえる音を大事にし
作曲している事がわかり、教授の森林保全団体の創設が解った様に思います。

ギター講師 H•T

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